何を出せばいいの?申告書や添付書類の内容

この記事は、法人経営をはじめて間がない方向けの記事です。

申告書のコピーを提出して下さいと言われ…

銀行から融資を受けようとする場合のように、何らかの手続きを行うときに提出を求められることが多々あるのが申告書のコピーです。申告書をコピーしようと、税理士・公認会計士の先生から返却された申告書の控えを見てみると、結構なページ数でビックリするのではないでしょうか。さらに内容がまったくわらかない。。

この記事では、法人の申告書にはどのようなものがあって、手続きを行うときに、コピーが必要なものがわかるようになって頂くために、一般的にはどのような書類があって、どのような内容の書類であるのかを把握して頂くことを目的にしています。

提出先によっては、漠然と申告書一式といわれる場合もありますが、どのようなものがあるのかを把握して頂くことで、どのようなものを提出する必要があるのか提出先に確認するやりとりや事務手続きがスムーズになります

申告書と添付書類の種類と内容

では、申告書などの書類にはどのようなものがあるのでしょうか。

・法人税の申告書
・消費税の申告書
・法人事業概況書
・適用額明細書
・地方税の申告書

法人税の申告書の添付書類として、
・決算書
・株主資本等変動計算書
・勘定科目内訳書

が一般的な法人の申告書などの種類となります。
次に、それぞれの申告書などの内容についてみてみます。

法人税の申告書

法人税の申告書は税務署に提出する書類です。言わずもがなで法人税(及び地方法人税)を計算するための書類となります。

申告書の右上に「別表」と記載されているもので、別表一からあります。結構なページ数ありますが、すべて法人税の申告書になります。

消費税の申告書

消費税の申告書も税務署に提出する書類になります。こちらも言わずもがなで、消費税(及び地方消費税)を計算するための書類となります。

消費税の申告書は、売上の規模によって、ある場合とない場合がありますが、消費税を納付もしくは還付されていれば、必ずあるはずです。

法人税の申告書と異なり、右上に別表などの記載はありませんが、1枚目の上部中央に「消費税及び地方消費税の(確定)申告書」※の記載があります。2枚目以降は上部に「付表(数字)」が記載されているものが、消費税の申告書になります。

※(確定)の部分については、申告書を提出した後に、誤りがあることに気づいて訂正した場合は(修正)になります。

法人事業概況説明書

法人事業概況説明書も税務署に提出する書類です。こちらは、税額を計算するためのものではありませんが、税務署があなたの法人の事業内容を把握するために参考にする書類です。

適用額明細書

適用額明細書も税務署に提出する書類です。こちらも、税額を計算するためのものではありませんが、法人税を安くするために、税額控除や特別償却などの特典を使用したときに提出する必要があります。

税額控除や特別償却などの特典を使用していないときは、この書類はありません。

地方税の申告書

地方税の申告書は、都道府県に提出するものと市区町村に提出するものがあります。いずれも、右上に「(数字)号様式」と記載されています。

都道府県に提出するものは「道府県民税の(確定)申告書」と、市区町村に提出するものは「市区町村の(確定)申告書」と、1枚目の上部中央に記載されています。

※(確定)の部分については、申告書を提出した後に、誤りがあることに気づいて訂正した場合は(修正)になります。

決算書

ここからは、法人税の申告書の添付書類になります。

何らかの手続きをするときに、ほぼ必要となるのがこの書類です。

決算書は大きく次の構成となっています。
①貸借対照表
②損益計算書
③注記

貸借対照表は、法人の財政状態を表す書類となります。提出先がこの書類を見れば、財政状態を確認することができるということです。

損益計算書は、法人の利益(儲け)を表す書類となります。提出先がこの書類を見れば、売上や仕入、経費を確認することができるということです。一般的に経費は数が多くなることから、損益計算書では一括して、「販売費および一般管理費」として表示し、別ページになっている場合が多いです。また、製造業を経営している場合も、損益計算書とは別に「製造原価報告書」が別ページになっている場合が多いです。

注記は、第三者が貸借対照表や損益計算書を見たときに、判断に誤りがないようにするために、計算方法などの注意事項をまとめたものになります。

最後に、上記とは別になりますが、監査報告書や報告書という名称で、この決算に誤りがないことを監査役や社長が捺印している書類がついている場合があります。

株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書は、決算書の中の純資産の部分に焦点をあて、純資産の中身が期中どのように変化したかを表す書類となります。

勘定科目内訳書

勘定科目内訳書は、決算書に記載された勘定科目の内訳を取引先ごとにまとめた資料となります。貸借対照表の資産、負債、損益計算書の役員報酬や地代家賃などの一定の勘定科目について記載されています。もちろん、勘定科目の内訳ですので、内訳の合計と決算書の勘定科目の金額は一致することになります。