やっぱり難しい!!現金管理

この記事は、個人事業者、小規模事業者向けの記事です。

なかなか難しい現金管理

お店や会社に現金を置いていますか?
・着払いで宅急便が届く
・従業員にちょっとした買い物を頼む
・集金に来る取引先がある
など、経営者や管理者がいない場合でも支払いが必要になる場合はあります。ですから、どうしても、ある程度の現金をお店や会社に置いておく必要があると思います。

現金商売のお店や会社の場合は、現金の残高が大きくなる傾向にあるので、意識して管理していると思われますが、現金商売ではないお店や会社の場合は管理がおろそかになりがちです。また、意識している場合でも、釣り銭の数え間違いによって現金の残高が帳簿の残高とあわないことが多々あります。

なぜ、現金があわないのか

もちろん、実際にある現金の残高は帳簿の残高とあわなければなりません。なぜなら、帳簿は日々の取引を記録したものなので、すべての取引を記録すれば、必ず残高は同じ金額となります。

では、なぜ残高が同じにならないのか?それは、
現金取引の記載が漏れているから
ということに他なりません。

当たり前に感じましたか?そのとおり当たり前のことです。

もう少し踏み込んで、現金取引の記載が漏れるのはなぜかを考えてみましょう。そうすると、この当たり前に感じたことが、ハッとするような意外な要因だったりします。

売上金の入金漏れ

最も怖い要因のひとつがこの売上金の入金漏れです。

従業員が売上金をわざと抜いている場合は横領ですし、わざとでない場合でも、従業員に疑念を持つことになりかねません。

経営者や管理者が売上金を管理している場合、このようなもめごとはないかもしれませんが、売上自体が漏れているので、税務上も大きな罰則が課されてしまいます。

ですから、現金商売のお店や会社の場合はレジを導入したり、2人以上の人員で現金を管理するなどの対策をしていると思います。個人的な見解ですが、売上金の入金漏れについては、上記のような不正などのリスクを把握している場合が多く、対応済みであると思います。もちろん、チェック体制ができていない場合は早急に対応策を練ってください。

経営者や管理者の立替金の記載もれ

上記の売上金の入金漏れのような怖さがないですが、意外と多いものの一つです。お店や会社に現金は置いていたものの、予想外の支払いがあって、現金の残高が足りない場合は、経営者や管理者が自分のお財布から立替して、入金することがあると思います。

このような立替金は領収書があるわけでもないので、帳簿への記載漏れが起こりやすいので、注意が必要です。

領収書の紛失・そもそもないもの

基本的に、なんらかの支払をした場合は領収書をもらいます。しかし、領収書自体をもらい忘れていたり、もらったけどどこかに紛失してしまう場合、帳簿への記載漏れが起こりやすいです。

また、従業員やお客様へのお祝い金のように、そもそも領収書が発行されないものも、帳簿への記載もれが起こりやすいです。このような場合は、なんらかのメモでも構いませんので、帳簿へ記載するときに漏れないような工夫が必要です。

引き出しの記載漏れ

最も怖い要因のもうひとつがこの引き出しの記載漏れです。個人的にはこの要因が最も怖い要因だと考えています。

売上金の入金と同様に、従業員が管理している場合を考えてみてください。売上金の入金の場合はレジから売上金の履歴がわかりますが、引き出しについては、履歴がわかりません。そもそも、現金商売ではないお店や会社で、現金管理の意識が薄い場合は簡単にこの不正は行うことができてしまうのです。

現金管理のコツ

では、どのように現金管理をするのがいいでしょうか。

現金を極力扱わない

本末転倒となってしまいますが、一番いいのは現金を極力扱わないことです。現金、特に支払いに関しては履歴を確認する手段がありません。そのため、
・銀行口座からの引き落とし・振り込みにする
・QRコード決済やクレジット決済などを利用する
などの方法で、現金で扱わなくてもいいものは、現金での取り扱いをやめましょう。

ルールを決める

現金は履歴が残りませんが、例えば、
・前日の現金は翌日銀行に入金する
・お店が終わった後、経営者や管理者に現金を渡す
などルールを決めることによって、履歴に近い形式にすることや、経営者や管理者が把握できるようにすることができます。

現金をこまめに数える

現金管理の意識が薄いお店や会社では、残念ながら現金をこまめに数えていない場合が多いです。その日その日で現金を数えていれば、その日の出来事は記憶していると思いますので、現金の残高と帳簿の残高があわなくても、すぐに原因を特定することができます。ですから、現金はこまめに数えて、帳簿の残高とあわせましょう。

現金をあまり置かない

私が強調したいもののひとつがこのコツです。日本人は基本的に真面目だと思っています。しかし、生活に困っている、借金の返済があるなど、お金に困っているようなときに、目の前に大金があれば、人間心理として魔が差してそのお金に手を出してしまうということはあるのではないでしょうか。ですから、必要以上の現金を置いておくことはリスク以外のなにものでもありません。

特に、現金管理の意識が薄いお店や会社は、必要以上に現金をお店や会社に置いている場合が多いです。釣り銭など最低限の現金だけを置くようにしましょう。