めんどくさい!!資料せんの作成のあれこれ

この記事は事業者向けの記事です。

資料せんって何?

資料せんとは、略称で、正式名称を「一般取引資料せん」といいます。税務署からあなたのところに「売上、仕入、費用及びリベート等に関する資料の提出方の依頼について」という文書と一緒に送付されてきます。すべての事業者に送付されるものでもなく、また、あなたのところに毎年必ず送付されるというわけではありません。だけど、あなたのところに届いた資料せん。。

法的には提出義務はなく、任意の回答となっています。しかし、実務的には提出しないことによるデメリットがあるのではと考え、提出されている方がいらっしゃるのも事実です。顧問されている税理士や公認会計士の先生によって見解もわかれます。

では、資料せんを提出する場合、どのような項目を記載する必要があるのでしょうか。項目としては、売上、仕入、外注費、不動産の賃借料など多数の項目があります。ただし、必ずすべての項目を記載する必要があるわけではなく「*」が記載されている項目を記載することになります。また、「1回の取引金額が10万円以上」「期間中の取引金額が30万円以上」など金額の基準もあります。これらは、「売上、仕入、費用及びリベート等に関する資料の提出方の依頼について」に記載されていますので、確認してください。

また、意外と見落としがちなのが、上記文書の下のほうに記載されている「(ご注意)」です。提出する取引先が「個人のすべて」「個人・法人のすべて」などと記載されています個人との取引が少なく、上記文書に「個人のすべて」と記載されている場合は、作業量が極端に減ることになります。ですから、かならず確認しましょう

以上のように、資料せんを作成する場合、
・取引量が相当ある
・記載する項目がたくさんある
・金額の基準がある
などの要因で、提出してもメリットがないにもかかわらず、事務負担は相当大きいです。さらに資料せんが毎年届くとめんどくさいですよね。

ですから、この事務負担を減らすべく、どのように資料せんを作成すればいいのか、一案として紹介したいと思います。

資料せんの作成手順

資料せんの作成手順ですが、おおまかには次のとおりです。
①「売上、仕入、費用及びリベート等に関する資料の提出方の依頼について」の記載内容を確認する
②対象期間の試算表を確認する
③基準となるデータを抽出する

順番に手順を確認してみましょう。

①「売上、仕入、費用及びリベート等に関する資料の提出方の依頼について」の記載内容を確認する

この手順については、上記でも記載したとおり、提出範囲が記載されているので、不要な作業をなくすためにも必ず確認してください。あわせて、対象となる期間が記載されていますので、その期間も確認しましょう。

②対象期間の試算表を確認する

①の手順で確認した対象となる期間の試算表を出力しましょう。対象となる期間が決算期をまたがっている場合は、対象となる期間の開始月から決算、期首から対象となる期間の終了月までの試算表を出力します。

次に、資料せんを作成する必要がある項目に該当しそうな勘定科目をピックアップしましょう。項目によっては、該当しそうな勘定科目が複数あるかもしれませんが、ある程度絞り込みすることが可能だと思います。

最後に、勘定科目をピックアップしたら、項目ごとに試算表を見ながら発生額の合計を確認しましょう。この発生額が①で確認した1回の取引金額もしくは期間中の取引金額よりも明らかに少ない金額であれば、対象となる取引は0となります。

③基準となるデータを抽出する

②で確認した項目で発生額が確認した1回の取引金額もしくは期間中の取引金額よりも多い金額の勘定科目が絞られていますので、勘定科目ごとに該当するデータを出力します。勘定科目ごとに該当するデータを出力することで抽出もしやすいと思います。

ここで注意点ですが、基本的にはデータで出力してください。紙に印刷しないでください。会計ソフトを利用しているのであれば、仕訳データや元帳をEXCEL(エクセル)やcsvファイルとして出力する機能があると思います。これをEXCELで加工したほうがデータを抽出したり、加工したりするほうが楽になります。

税務署からは資料せんの用紙が送付されてきますが、用紙で提出しなくても問題ありません。他の提出方法として、資料せんをEXCELでデータを作成し、CD-R(シーディーアール)などにこのデータをいれて提出することができます。CD-Rだともったいないので、昔使用していたいらないFD(フロッピーディスク)が残っているのであれば、FDにデータをいれて提出しても構いません。

詳細については、大阪国税局の下記のリンクを参照してください。ただし、国税局ごとに提出方法などに多少違いがあるようですので、関西圏にお住まいでなければ、該当の国税局のサイトを参照してください。こちらにEXCELの入力フォームがあります。

売上や仕入が対象の場合は
売上や仕入が対象の場合で販売関連のソフトを利用しているのであれば、販売関連のソフトからEXCELやcsvデータを出力したほうがデータの抽出が楽かもしれません。会計ソフトの場合、補助科目を設けていないと取引先ごとの集計が少しめんどくさいですが、販売関連ソフトの場合は取引先ごとの集計する機能がたいがいありますので、こちらを利用してもいいと思います。