この記事は、
・ペーパレス化を推進しているものの、進まなくて困っている
・ペーパレス化を推進したいと考えている
方向けの記事です。
ペーパレス化が進まない原因
コスト削減を目的として、ペーパレス化を推進している経営者の方は多いと思います。推進しているものの、
・なかなか紙がなくならない
・逆にコストがかかってしまう
などの問題に直面していませんか?
最大の原因は人
ペーパレス化が進まない最大の原因は人です。
なぜ、人なのかというと、現在の仕組みを変えることに抵抗があるからです。
現在の仕組みを変えようとすると、
・新しい仕組みを覚える必要がある
・今までにはなかった作業が発生する
・変化すること自体に抵抗がある
など、新たな作業や心理的な抵抗が生じます。うまく変化を取り込んでいくには急激に変化させるのではなく、部分的に徐々に仕組みを変えていく必要があると思います。
急激に変化させることができるのは従業員を雇っていない経営者だけです。もしかすると、従業員を雇っていない経営者であっても、取引先のような相手とペーパレス化を進める場合は、急激に変化させるのは難しいかもしれません。
さらには、あなた自身が急激な変化に対応できないかもしれません。
ですから、いっぺんにすべての仕組みを変えるのではなく、
・重要かつ効果の大きなところから
・部分的に仕組みを変える
ことを意識してみてください。
間違ったペーパレス化
コスト削減を目的とする場合、資料の保存にかかるコストを削減することを目的にしていることが多いのではないでしょうか。代表的な例として、資料を保管するための倉庫代のようなコストです。
最終的にデータ化(電子化)したらOKと考えていませんか?確かに、データ化されれば資料の保存にかかるコストを削減できるでしょう。でも、データ化するために人件費が増えていませんか?もしくは、データ化するために時間を費やしていないですか?
とくに注意してほしいのは時間です。寿命の違いはあれど、時間はどんな人でも平等に与えられたものです。コストがかかっていなくても、時間がかかっていれば、意味がありません。もし、同じ時間で違う粗利(売上)が得られるのであれば、そちらに時間を費やすべきです。
ですから、まず、ペーパレス化をするときに検討すべき事項は、
これからどうやったら紙を使わずに業務を行うことができるか
という仕組みを構築することが先決です。
紙を使わない取組
ペーパレス化をするときに重要な
・重要かつ効果の大きなところから部分的に変える
・どうやったら紙を使わずに業務を行うことができるか
という点を踏まえた上で、
人の心理的な抵抗を最小限にとどめながら、ペーパレス化を推進するための取組
として、私が実際に行っているペーパレス化について紹介させて頂きたいと思います。
紙で行う作業の流れ
まず、紙で行う作業の流れを確認したいと思います。紙で作業を行う場合、
①パソコンで作成したデータをプリンタで紙に印刷する
②印刷した紙を机に持ってくる
③机の上で印刷した紙の内容を確認する
④ボールペンなどを使って、資料で追加・訂正する内容を書き込む
⑤追加・訂正した内容をパソコンで作成したデータに反映する
といった流れになります。
この中で、物理的に紙を使用しているのは②~④です。この部分を電子的にすれば、ペーパレス化することが可能です。パソコンが普及する前には、紙の消費は極端に減るであろうと予測されていたのに、かえって紙の消費が増えたました。その原因は、②~④の作業をパソコンのディスプレイ上で行うことに抵抗があったからだと考えています。
ペーパレス化の流れ
わたしは上記の②~④を紙ではなく、PDFファイルとタブレットを利用することで、ペーパレス化しています。具体的には
①パソコンで作成したデータをプリンタでPDFファイルとして印刷する
②PDFファイルをタブレットで表示する
③机の上でタブレットに表示したPDFファイルの内容を確認する
④タブレットペンを使って、PDFファイルに追加・訂正する内容を書き込む
⑤追加・訂正した内容をパソコンで作成したデータに反映する
①については、プリンタを変更するだけなので、紙を使用していようがいまいが、違和感なく作業できると思います。
②・③については、タブレットですので、紙と同じように机において使用することが可能です。紙を使用していたときと同様の目線になるので、ディスプレイでの確認よりも紙で確認している感覚に近いと思います。
④については、タブレットペンを使用すれば、紙に追加・訂正する内容を書き込んでいたときと同じように、PDFに内容を書き込むことができます。
ただし、PDFに内容を書き込むソフトをタブレットにインストールする必要があります。わたしはタブレットとしてSurfaceを利用しています。同じようにSurfaceを使用しているのであれば、「Microsoft Edge」を使ってPDFを表示することで他のソフトをインストールすることなく、PDFファイルに内容を書き込むことができます。
この方法であれば、意外と紙に近い感覚で使用できるので、人の心理的な抵抗も最小限にとどめつつ、ペーパレス化を推進することができると思っていますが、いかがでしょうか。
残念ながら、タブレットやタブレットペンを準備する必要があるので、それなりに導入のコストはかかりますが、検討してみて頂けると幸いです。