この記事は経営者・経理担当者向けの記事です。
おさらい
前回の記事で、「青色決算書」に記載された勘定科目のうち、
・租税公課
・荷造運賃
・通信費
・広告宣伝費
について、メリット・デメリットをまとめました。
この記事はその続きとして、消耗品以降の科目について、メリット・デメリットをまとめます。前回の記事もあわせてご覧ください。
科目別ペーパーレス化のメリット・デメリット整理
消耗品費
メリット 紙がいらない
当たり前ですが、紙が必要ないので、紙の購入コストをカットすることができます。ペーパーレス化で、まっさきに思い浮かぶメリットですね。
メリット 印刷コストがいらない
紙に印刷するための複合機のトナーやプリンターのインクなど、印刷のためのコストをカットすることができます。特に、複合機のトナーやプリンターのインクは、複合機やプリンター本体の値段を大幅に値下げし、トナーやインクを継続的に購入してもうらうことで収益をあげるビジネスモデルとなっています。そのため、購入する側から見た場合、トナーやインクの購入コストは負担が大きくなりがちなので、このコストカットは大きなメリットとなります。
デメリット 機器の導入が必要である
情報が印刷された紙でやりとりしていましたが、紙自体がないので、情報を表示するための危機が必要となります。そのため、ipadやsurfaceのようなタブレットを用意する必要があります。パソコンがあれば必要ないと思われるかもしれませんが、過去の経緯をみると、パソコンだけではペーパーレス化を進めるのは難しいです。
また、
・ペーパーレス自体が進んでいない会社との資料のやりとり
・セミナーを受講したときに渡されるテキスト
・請求書や領収書の受領
など、ペーパーレス化をしていない取引先からは以前として紙で渡されます。
紙で保存せずに、電子化したデータとして保存するためにはスキャナが必要となります。複合機がない場合は、別途スキャナを用意する必要があります。
おすすめは、下記のスキャナです。普通紙だけでなく、感熱紙も紙送りにセットすることで、連続してスキャンすることができます。わたしも下記のスキャンを利用しています。
地代家賃
メリット 保管コストをカットできる
すぐに廃棄できる紙の資料であれば問題ありませんが、
・契約書
・請求書/領収書
・申告書/決算書 など
取引を行う上で重要な書類や法律で保存が決められている書類などは、長期間保存する必要があります。紙で保存する場合、保存するためのスペースが必要となり、取引量が多い場合や創業からの期間が長ければ長いほど、このスペースがたくさん必要になります。場合によっては、これらの資料を保管するために倉庫を借りているかもしれません。
ペーパーレス化をすすめれば、物理的な紙ではなく、電子化されたデータを保存するので、このようなスペースの確保や保管するためのコストをカットすることができます。
給料賃金
青色決算書では、給料賃金は地代家賃の前にありますが、あえて最後に回しています。それはペーパーレス化では、この項目が一番大事だからです。下記の記事もあわせてご覧ください。
メリット 紙で行っていた作業の人件費の削除
紙で保管していた資料から、自分が必要な資料を探し出す場合、紙が大量に保管されていればいるほど、探し出すために時間が必要になります。ある程度は管理されているでしょうが、その保管場所に行くための時間、探すための時間など時間は待ってくれません。
電子化されたデータであれば、このような時間を大幅にカットすることができます。
デメリット 電子化するための作業が発生する
紙から電子化されたデータにするために、スキャンするための作業が発生します。そのため、その時間は増加することになります。
デメリット 新しい作業を覚える必要がある
今まで紙で慣れていた作業をやめ、新たな手順で作業を進めることになるため、新たな手順に慣れる必要があります。パソコン普及時がわかりやすい例ですね。
まとめ
給料賃金にも記載したとおり、ペーパーレス化の最大の敵は人です。しかし、他の科目でみたとおり、ペーパーレス化でさまざまなコスト・時間のカットができます。また、社会的にもペーパーレス化はますます勢いを増すでしょう。
人と上手に折り合いをつけながら、できるところから徐々に進めてはいかがでしょうか。