この記事は個人事業主、小規模事業者向けの記事です。
帳簿の処理を楽にするために
事業を行う場合、帳簿の処理は避けて通ることはできません。ですから、帳簿の処理を少しでも楽にしたいですよね。では、どうすれば帳簿の処理を楽にすることができるのでしょうか
ズバリ、データを入力しないことです。
帳簿の処理で、時間がかかってめんどくさいのはデータの入力です。ですから、データの入力をせずに済むのであれば、したくないですよね。
現在販売している会計ソフトでは、
・銀行
・クレジットカード
・交通系のカード
などのシステムにアクセスし、取引データを自動的に取得した上で、帳簿の処理をしてくれる取込み機能が標準的についています。ですから、この機能はぜひ利用してください。
使い始めは、帳簿の処理の仕方を推測してくれるのですが、的外れなものも多く、
「このように処理してね」
というように設定をする必要があります。使い始めの設定はめんどくさいですが、一度設定してしまえば、その通りに処理してくれるので、どんどん設定して、データを入力しなくて済むようにしましょう。
ただし、いくつか注意点もあります。
・銀行データ
・カードデータ
の2種類について、それぞれ見てみます。
銀行データを取り込むときの注意点
取引データを自動的に取得してくれるので、必ず帳簿の残高と預金残高は一致するはずです。しかし、実際に残高が一致しないことがあります。
注意しないといけないのは、データを取得するタイミングです。カードデータにも当てはまりますが、取引している銀行やカード会社のシステムでは、過去の取引記録を閲覧できる期間が設けられています。
例として、
①現在から前々月までは閲覧でき、それ以前は閲覧できない銀行を利用している
②6月に帳簿の処理をする
という場合をみてみます。
帳簿の処理は、基本的に月単位で処理します。もし、毎月、帳簿の処理をしていたとしても、6月に帳簿の処理ができるのは5月分、つまり前月分となります。
毎月、帳簿の処理をしていなくて、3月~5月分をまとめて処理しようとするとどうなるでしょうか。
・5月(前月)
・4月(前々月)
ですので、3月は閲覧できなくなってしまいます。もちろん、3月分のデータが取得できないので、帳簿残高も預金残高と一致するわけないですよね。そうすると、通帳記入して、この通帳を見ながら、データを入力しなければならなくなります。
このように、過去のデータを閲覧する期間を過ぎるとデータを取得することもできませんので、少なくとも取引データの取得を1月に1度は行うように設定しておく必要があります。
カードデータを取り込むときの注意点
クレジットカードの場合は銀行データと違った注意点があります。その最たるものが締め日があるということです。
銀行データを取り込むときの注意点にも記載していますが、帳簿の処理は基本的に月単位で処理します。クレジットカードの場合、締め日を月末に指定できるものもありますが、指定できなかったりすると、締め日が月末ではなくなります。
問題は自動的にデータを取得することができるのが「締め日まで」という場合があるということです。
銀行と違って、クレジットカードの場合は使用した日まで取引明細を閲覧することはできます。ただし、締め日を過ぎた取引明細は「未確定」の請求書として表示されます。これに対して、自動的にデータを取得できるのは、「確定」した請求書となっていることがあります。
ですから、クレジットカードの場合は締め日がいつなのか、締め日以降のデータが取得できているのかを確認する必要があります。
自動取得が対応していないときは?
・会計ソフトで取引銀行がデータの自動取得に対応していない場合
・カードデータを月単位で処理したい場合
などは、銀行やクレジットカードのホームページに直接アクセスし、エクセルやCSVデータを取得しましょう。
会計ソフトでは、エクセルやCSVの取込み機能が標準的についているものが多いので、その機能を使うことで上記の問題を回避することができます。
ただし、閲覧期間はどうしようもないので、こまめに処理することをお勧めします。