科目別に効果を確認しよう!ペーパーレス化のメリット・デメリット(1/2)

この記事は経営者・経理担当者向けの記事です。

ペーパーレス化で期待するもの

あなたが、ペーパーレス化で期待しているのは、時間・コストカットだと思います。では、ペーパーレス化によって、どのような時間やコストがカットされるのでしょうか?ペーパーレス化のメリットやデメリットについての情報は、いろいろな箇所に溢れかえっています。

しかし、経営成績である試算表(もしくは加工したもの)を起点として、メリット・デメリットがまとめられたものは少ないと思います。ここでは、試算表を起点とすべく、一般的な勘定科目ごとにメリット・デメリットをまとめ、経営者、経理担当者、もしくは税理士が経営改善に役立てることを目的としています。

勘定科目については、一般的なものを利用したいという観点から、個人の確定申告の際に利用される「青色決算書」に記載された勘定科目ごとに考察していきます。

科目別ペーパーレス化のメリット・デメリット整理

租税公課

メリット 印紙を貼る必要がない

紙で契約書を締結する場合や領収書を発行する場合は印紙を貼る必要があります。頻繁に契約書を締結する場合や領収書を発行する場合や高額な契約を締結する場合は印紙代が相当かかります。しかし、ペーパレス化し、電子で契約書を締結したり、領収書を発行したりすれば、印紙を貼る必要がないので、印紙代を大幅にカットすることができます。また、契約書の締結場所まで移動するコストや時間もカットすることができます。

上記については、下記の記事もあわせてご確認ください。

この記事は契約書を紙で作成している方向けの記事です。 先日の記事で領収書について記載しました。 今回は契約書について記載したいと...
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ただし、契約書については法令によって、現在は紙で締結することが強制されているものもありますので、ペーパーレス化できるかどうか事前に確認しておく必要があります。

荷造運賃

メリット 送付するための費用がいらない

紙で請求書や領収書を取引先に送付する場合、郵送料や宅急便などの費用が必要となります。ペーパーレス化すれば、このような送付費用は必要ありません。

請求書や領収書をPDFファイルにして、メールで送信すれば完了です。改ざんできないようにすることも可能ですので、安心です。また、必要があれば、電子署名を取得し、PDFファイルに印影とともに追加することも可能です。電子署名の取得の仕方については、下記のホームページを参考にしてください。

本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第18回は、電子署名を付けてPDFの改ざんや意図しない変更を防止してみる。

内容証明のように法的な手続きを踏む必要があるものや物品を除いては、ペーパーレス化が可能です。

通信費

デメリット 通信費用がかかる

ペーパーレス化には前提としてインターネット環境が必要となります。そのため、導入にはプロバイダとの契約が必要となります。また、スマートフォンの場合は、速度制限がかかったり、通信する量によって、コストが高くなります。

しかし、ペーパレス化しようがしましいが、インターネット環境がまったくないということは現在では考えにくいと思います。オフィスを構えているのであれば、インターネット環境はすでにあるでしょうから、デメリットにならないでしょう。

すべて、スマートフォンで済ませているのであれば、格安SIMの導入など、携帯電話会社を変更することでコストをカットすることができます。また、携帯電話会社ごとに特徴がありますので、自分が頻繁に利用するものが何かを把握した上で変更するといいでしょう。

広告宣伝費

メリット チラシなどの印刷費用が不要

パソコンやスマートフォンを利用する人をターゲットとした広告であれば、ホームページやSNSを利用することで、チラシなどの紙媒体は不要になります。

デメリット 見てもらえない

上記とは逆に、パソコンやスマートフォンを利用しない人をターゲットにした広告の場合、そもそも見てもらうことができないので、やってはいけません。

ターゲットとする顧客がどのような生活習慣を持っているかで、ペーパーレス化を検討するのもいいですが、「あくまでも相手に情報が伝わるかどうか」で検討すべきでしょう。

少し、記事が長くなりそうですので、続きの科目は次回にしたいと思います。